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雪の華~Memories~【彼氏いない歴31年の私】

第2章 LessonⅡ 心ときめく記念日

 オーナーのやわらかな声に輝も緊張を緩め、笑顔になった。
「あ、その笑顔、良いな。とっても素敵ですよ」
 声とともに、連続でシャッター音が鳴った。
 その時、携帯電話の鳴る音がしじまを破った。
「あ、済みません」
 由佳里が急いで走っていく。メーク道具の間においてあったらしい携帯を取り上げた。
「あ、店長?」
 どうやら勤務先から、かかったらしい。しばらく小声で話していたかと思うと、小走りにこちらに駆けてきた。
「聡さん、ごめんなさい。急にHプロダクションの方に行かなきゃいけなくなって」
「判った。こっちはもう良いよ。撮影も大方終わったし、何とかなる」
 オーナーが鷹揚に微笑んだ。

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