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雪の華~Memories~【彼氏いない歴31年の私】

第5章 LessonⅤ キャッツ・アイにて~孤独なピアノ~

「君は―一体、どういうつもりなんだ」
 聡と輝の間の距離はなお数メートル隔たっている。輝が脱いでいる最中も、けして彼は近づいてこようとはしなかった。まるで、今の場所から一歩でも動けば、二人の間に取り返しのつかないことが起こるのを予測しているかのように。
「俺も男なんだぞ? 君はそれを理解してるのか」
 躊躇いを見せながらも、聡のまなざしは輝の魅惑的な肢体に絡みついたように離れない。

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