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短編集

第9章 「マンホール」

女の子が少し落ち着いたところで話してみることにした。

「落ち着いて聞いてくれ…俺は怪しい奴じゃない。」
「じゃあ何?」

「俺も君と同じでマンホールに落ちただけだ。君より先に落ちただけだ。だから俺と君は同じ立場だ」

俺は女の子の目を見ながらゆっくり話した。

「わかってくれたかい?」
女の子は俺の目を覗き込むように見てから、頷いた。

―よかった。わかってくれた…

と思った瞬間、女の子の目線が俺の股間で止まった。

自分でも気付いていなかったが、俺は女の子に近付き過ぎて股間がまりもっこり状態になっていたのだ。

「はっ…これは…!」

「十分、怪しいじゃないのよ!」

どんっ!

「ぐふっ!?」

女の子の拳が俺の腹にめり込んだ。

俺は殴られて身体を前に折り曲げてしまった。



顔が女の子の胸にボムッと入る。

柔らかい感触。

いい匂い。

男は間違いなくおっぱいに弱い。

ああ、痛いけど幸せ…。

「このエロおやじ!」

次は掌底があごに炸裂する。

ごんっ!

痛い!

痛いけど、幸せ…。

俺の馬鹿…。

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