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リレー小説

自由参加です。どんどんどうぞ。
なお一切の私語禁止でございます。参加していいですか?等挨拶も必要ございませんので!

それではスタート!


それは、ある雨の日の午後のことだった。
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抜いてやる。

そう思ったが、俺は震える手を止めて考え直した。

不自然だ。この鼻毛は不自然すぎる。

ただ出ているだけではない。呼吸に合わせて引っ込んだり出たりしている。

ただの鼻毛ではない。これは。

罠だ。

孔明の罠だ。

そう思った。

罠なら抜いてはいけない。かといって放っておくことは俺の性分が許さなかった。

抜いてはならず、かといって放っておくこともできない。ならばどうするべきか。

考えた末に、ひとつの答えにたどりついた。





ブローしてやる。





この鼻毛をブローしてやる。俺は固くそう決意した。

つやつやの鼻毛にしてみせる。

82 すると、「ヴーン」と耳障りな音が……。


その音と共に現れた、目の前を浮遊する、小さくて黒い物体。それは、ガラス窓にひたすらコンコンぶち当たり、壁に止まれば手をこする、あの固形の排泄物にたかる不潔な虫。


『なんだここは、不衛生な……』


そう思った次の瞬間……

「ピシッ!!」


いきなり鼻毛が伸び、そいつを捕らえ、中に引きずりこんだ。


いま、自分はいったい、なにをみているのだ?
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虫が信長の鼻の中に入った。

「退治完了っと…」

……??

なんだいまの?
84 「…うむ、なかなか栄養素の高い蝿だ。」




ハエトリソウかお前はっ!!


その鼻毛は一体どうなっているんだ…
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しかし、気づくと鼻毛は見えなくなっている。

これで一安心だ。

さぁ、蕎麦d…
…もみじおろし……
86 「心配するな。そのもみじおろしはな…儂が使う」

俺が躊躇していると、信長がそう言った。

「そうだな…お前には…これでどうだ?」

信長はポケットから何かを取り出した。それは…

……うまい棒もみじおろし味?!

「砕いて使え。なかなかイケるぞ」

信長は蕎麦をすすりながらそう言った。
87 うまい棒もみじおろし味……入手経路を知りたいところだが、俺はすすめられるがまま、それを砕いて、蕎麦と一緒にすすった。


「使い方はこれで本当にあっているのか?」


微かな疑問を抱きながら、蕎麦を口に運ぶ。


これは、いい! 食が進む。結構イケるじゃな〜い♪


夢中で食べた。信長も食べているようだが、なぜうまい棒を使わない。これが最後の一本だったのか?


俺の目線は蕎麦の方を向いている。だが、視野のやや上あたりになにかを見た。

気のせいかとも思うが、信長の頭がヒガンバナの様に割れ、中央から触手がウニョウニョと出ていたように見える。


「っ!!」


正面を向くと、一瞬にして信長に戻る。


「どうかしたか?」なにごともなかったかのように……いや、あっただろ!?


「……そば、美味いな」それしか返せない。


見ると、信長の左目を中心に額から頬にかけて、一本の赤い筋が見えた。


いや、修復間に合ってないよね?


いつから寄生獣と入れ代わった?


てか……


自分はいったい、なにをみているのだ?


88 「キタロー‥おいキタロー!」

ふと囁きが聴こえて、声の方を見ると‥

右手がしゃべっていた。

いや、目と口が生えた、
俺の右手だったものが。

‥おれはキタローじゃない!
なんか色々混ざってるよ!!

俺の困惑はお構いなしに、
右手は尚も、囁いてくる。


「目の前の男は、信長じゃない。
入れ替わった、ニセモノだ!!」
89 「待ってくれよ!いつ入れ替わったんだよ!本物の信長はどこだよ?ついでに俺はキタローじゃねぇし、そもそもお前誰…いや、一体なんなんだよ?」

俺は一気にまくし立てた。

しかし、俺の右手は何も答えない。親指と小指だけで湯呑みを器用に持ち、茶を飲んでいた。

…ゴクゴクゴク…。

喉を鳴らしながらいい飲みっぷりだ…というか俺の右手に喉なんかあったのか?!
あぁ、もうワケわかんねぇよ!!ヤケクソだ!

俺が大混乱をしていると、後ろから女の声がした。
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「バルス」

レスが上限に達しています。
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