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同じ場所~君と僕の見ている風景~

第9章 時間

写真を撮られる前は、逢えない時間が続いても、気持ちがすれ違う事はなかった。





お前達は付き合ったら駄目なんだよ。


って、事務所や世間に言われた様な感覚に襲われる様になってから、


ほんとは、別れた方が良いのかもとか、キミも別れて楽になりたいんじゃないかとか思ってしまう。



そのたび、身体がガチガチに固くなって涙が流れてくる。



そう。泣きたい訳じゃないのに勝手に流れてくるの。

感情が良く分からない。



ヤバイ。あたし、泣いてるかも。

マネージャーにバレない様にトイレに駆け込む。


落ち着かせて控え室に戻る途中、にのに会った。


「おう!おはよー」


「おはよー」


バレないで!!


「ん?どったの?泣いてた?」


「ちがう、ちがう!寝不足で充血がとれ……取れな…くっ…て…」

泣いちゃう。

これは、勝手流れてくる涙じゃなくて、久しぶりに感情を持った涙だった。


誰かに……聞いて欲しかったんだ。


味方が欲しかったんだ。

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