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クラスの人気者は、刹那の2時間を買い戻したい。

第15章 個別補習&カテキョ

月曜・数学/黒崎顕吾(38)

今週から刹那の放課後に個別補習と家庭教師による強化学習が始まる。

ホームルームのとき担任の千堂皐月から釘を刺される刹那。

「今日から個別補習ですからね、忘れて帰るなんて事ないように」

「分かってるよ」

刹那は不貞腐れたようにぶっきらぼうな返事をした。

個別補習まで少し時間があったので、売店でコーヒー牛乳とパンを買って、校長室に向かう。

腹ごしらえを済ませると、煙草を咥えて火をつける。

(今日は……数学かぁ)

皐月がご丁寧に『個別補習予定表』を作成して刹那に手渡していた。

月曜〜木曜は数学、家庭教師、日本史、古典

金曜はフリーだった。

(皐月、自分の都合で予定組んでるじゃん)

彼女が刹那を買うのは決まって金曜の夜だった。

刹那はニヤニヤしながら予定表を眺めていた。

個別指導室。

刹那が向かうとすでに数学担当の黒崎顕吾が教室にきていた。

坊主に近い刈り上げた頭、ラグビー経験者で見た目が怖い。

刹那を見つけると太く響く声で声をかけてきた。

「白瀬刹那だな?さっそく始めようか」

「はい、よろしくお願いします」

黒崎は刹那の学力を知るためのテスト問題を解かせた。

間違えたところを丁寧に説明して、再度問題を解かせた。

「数学は問題を解いて慣れるしかない。近道は無い」

「はぁ……」

黒崎は刹那の集中力が持たないところや、公式を端折る癖を見抜いて、こまめに休憩させ雑談をする。問題を2、3問集中させるやり方を取っていた。

「白瀬はバイク通学だったな。なに乗ってるんだ?」

「エリミネーター250」

「おお、アメリカンか、アレは足つきがいいし車体も安定してて良いよな」

「センセもバイク乗るの?」

「乗ってる。今はヤマハXJR1300」

「スゲ〜、大型じゃんセンセデカいから似合いそう」

「だろ? 白瀬は交差点曲がる時減速するだろ?」

「まあ、危ないからね」

「分かってるじゃないか、数学も同じだ。途中計算を端折るな、間違えるからな」

「……なるほど」

刹那はめんどくさくても途中計算をしっかり書いて問題を解くようにした。

黒崎から宿題を出され、文句タラタラの刹那。

「継続は力なりだ、忘れたら一緒に校庭走らせるぞ」

そう言いながら黒崎はガハハと豪快に笑っていた。

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