陽が沈む湊、陽が昇る湊。
第3章 初めての夜
オレはムリにやらなくてもいいかと思っていた。
ただ抱きしめ合っているだけで良かった。
「もういいの?」
彼女が聞いてきた。
「ああ、別に焦る必要もないだろ」
ちょっとカッコつけて言った。
めちゃくちゃやる気満々だったけど
オレが上手くできなかった。
「私、初めてなの」
「そうか」
「気づいてた?」
「なんとなく」
「あなたも初めてだったりする?」
下手なのを責められている気がした。
「悪かったな、下手くそで」
「そんなこと言ってないよ」
墓穴掘った。
「初めてはいつだった?」
「それ聞く必要ある?」
「言いたくないなら聞かない」
「一回だけ、バイト先の大学生だった人」
「どっちから誘ったの」
「たぶん、向こうから」
「付き合ってたの?」
「付き合ってない。たぶんオレは利用されたんだ」
「利用って遊ばれたってこと」
「どうだろう。相手は彼氏がいたんだ。
浮気されて別れたとか言ってて
バイト先で泣いてるところに鉢合わせて
気まずいから逃げようとしたら
呼び止められて
気が付いたら彼女の家にいた。
で、オレは誘惑に負けて……。
でも、しばらくしてその人は元彼と仲直りしてた。
浮気されたから仕返しがしたかったんだと思う。
それだけの関係」
「ひどいね」
「そうだな」
オレは彼女を見て苦笑いした。
もっと軽蔑されるかと思った。
最低って罵られるかと思った。
あんまり優しくするなよ。
めちゃくちゃにしたくなるだろ。
彼女と手のひらを結び
唇を重ね合わせた。
ただ抱きしめ合っているだけで良かった。
「もういいの?」
彼女が聞いてきた。
「ああ、別に焦る必要もないだろ」
ちょっとカッコつけて言った。
めちゃくちゃやる気満々だったけど
オレが上手くできなかった。
「私、初めてなの」
「そうか」
「気づいてた?」
「なんとなく」
「あなたも初めてだったりする?」
下手なのを責められている気がした。
「悪かったな、下手くそで」
「そんなこと言ってないよ」
墓穴掘った。
「初めてはいつだった?」
「それ聞く必要ある?」
「言いたくないなら聞かない」
「一回だけ、バイト先の大学生だった人」
「どっちから誘ったの」
「たぶん、向こうから」
「付き合ってたの?」
「付き合ってない。たぶんオレは利用されたんだ」
「利用って遊ばれたってこと」
「どうだろう。相手は彼氏がいたんだ。
浮気されて別れたとか言ってて
バイト先で泣いてるところに鉢合わせて
気まずいから逃げようとしたら
呼び止められて
気が付いたら彼女の家にいた。
で、オレは誘惑に負けて……。
でも、しばらくしてその人は元彼と仲直りしてた。
浮気されたから仕返しがしたかったんだと思う。
それだけの関係」
「ひどいね」
「そうだな」
オレは彼女を見て苦笑いした。
もっと軽蔑されるかと思った。
最低って罵られるかと思った。
あんまり優しくするなよ。
めちゃくちゃにしたくなるだろ。
彼女と手のひらを結び
唇を重ね合わせた。
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える