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いなくなった人、残された人。

第1章 ケース1:限界社畜の場合

そういえば、毒親だったから連絡を絶って、親にバレないようにこっそり引っ越しをしてさらにスマホの番号も変えた、ってだいぶ前に世間話の流れでちょこっと聞いたような気がする。

ーーーもしかして、飛んだ、のかな?

飛びたくもなるよねぇ、こんなブラック。私も飛ぼうかな。いや、でも飛んだところで次の仕事ないと収入無くなったらいろいろ詰むしな…。

その日、終業時間になっても、前野は現れなかった。
そして、普段の仕事+いなくなった人の尻拭いに追われ、部署の人間のほとんどが残業をしていた。
特に、普段は部下に山のように仕事を押し付けて自分一人だけさっさと定時で帰る、能無し課長も珍しく残っていた。でも仕事は特にしてなくて、ひたすら部長と専務につめられていた。
「部下の監督不行き届き」とか「課の管理体制」とかそーゆーこと言われてて。

うん、あの能無しセクハラ課長が上からつめられている光景は、見てていい気味、なので、その点だけは前野さんグッジョブ!!って感じである。

まぁ、実務はちょっと増えたし、今日は尻拭い大変だったけど。ただ、前野さんが飛んだことで流れた契約も何個かあるので、前野さんが抱えていた案件がまるまるふってきたわけでもないので、そこは、なんとか。なんとか、ってとこか。

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