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第3章 通い路
今日も――――・・・私は彼の家へと通う
彼の家があった場所は、今は住宅地の小さな交差点になっている
10年――――・・・
20年、30年、40、50、60――――・・・・
私はあの時と同じ思いで・・・この景色を見てきた
でも、風景は――――・・・時代は――――・・・
私を置いて変わっていく
そして、何もない小さな交差点に私は今日も立ち止まる
でも、今日は先客がいる――――・・・
私が通うその場所に――――・・・
誰かが立っている
誰かを待つように
年老いた・・・本当に年老いた老人が
一人――――・・・
誰かを待っている
「誰を待っているの?」
「60年以上前に・・・戦争で亡くなった恋人を待っているんです」
その老人は・・・白内障の進んだ瞳で私を見ると
笑った
「――――・・・わしも・・・そろそろ、お迎えが近いのです・・・この世の方ではない貴女を見てしまうのも・・・そう言う事なのでしょう」

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