
ひとつ屋根の下の愛情論
第5章 背中の温もりとか…
客間に入ると――――…敷いてあった俺の布団に秋音を下ろし、タオルケットをかけた!
「待ってろ――――…何か飲み物を持ってくる」
「――――み…見ないで……お願い…」
秋音は体を小さく丸め…布団に…潜った…
俺は、秋音を見ないようにして部屋を出て――――…冷蔵庫からスポーツドリンクのペットボトルを取り出した。
いまだに…秋音の心には波がある――――…
吐いたり…
飛び起きたり…
倒れたり…
まだ、アイツの中を犯人が占領している。
「――――秋音…」
部屋に戻ると…布団の中で秋音が泣いていた…
「――――り…つか……律夏……行かないで…」
我に返ったのか…布団の中で俺を探す秋音がいた。
「ここにいるって――――…拒絶したくせに…人の名前、呼んでんじゃねぇよ…」
「――――ごめん…」
「いいよ――――…俺は、そのためにいるんだ」
秋音が頑張らないために俺はいる。
コイツの闇は俺が知っていればそれでいい――――…
こうなる理由だって…俺が知ってればそれでいい…
