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彼の世界は官能で出来ている。

第13章 巨匠の娘、レジェンドの弟子


何度か…スマホが鳴ったが出る気力もなく、私は耳を塞いだ。


何も聞きたくない――――…



何も知りたくない――――…



何も――――…




テレビを消してスマホの電源もOFFにして、その日はバイトも休んだ。



大学時代に付き合っていた彼に「他に好きな子が出来たから別れて」と、サラッと言われ「そうなんだ…」と、すんなり受け入れられた。


だから…別れってこんなもんなんだと、甘く考えていたところがあった。



でも、今回は違った――――…



こんなにもどん底に落とされる感覚に…足も手も――――…震えて…次に何をするべきなのか全く分からなくなった。




「――――やだよ…」



そして、自分でもビックリするほどのか細い声が出た――――いや、出てはいなかったかも知れない。






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