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Living with Simone アイツと暮らせば

第4章 NTR

マンションの守衛が車のすぐ横に立ってた。

ケンちゃんが住んでるところは、24時間コンシェルジュも警備員もいる高級マンションだったの。

「大丈夫?」

…ええ怪しいアジアンが号泣してるんですものね。

声掛けたくなるよね。

「はい…大丈夫です」

黒いマスカラでドロドロの涙跡をつけてたと思う。

「さっきからずっとここに止まってるけど…。」

車の中をライトでちょっと照らし、
何かをチェックをしている様だった。

「済みません…彼氏とさっき別れちゃったので…。」

「まぁ色々あると思うけど、住人から通報が来たんだよ。
君ここの住人じゃないでしょう?」

「はい…彼氏が住んでます」

ええ…ドラマで彼氏に振られて、車で号泣シーン。
あるよね?…いや時々あるよね?

「あのさ…泣くのは、ココじゃ無くて他所でもできるでしょ?」


…あ。

「公園とかさ。」

…確かに。


守衛は横にも縦にもデカいアフリカン・アメリカンのおっさんだった。

なんか事件があって、走ったら6-7割発作起こしそう。
動けるデブも稀には居るが。


もうね…色んなことで、頭の中でぐちゃぐちゃで、考えが纏まらんのよ。ホント。

「…は…い」

ミカは、車に置いてあるティッシュで鼻と目を拭いた。
守衛ずっと隣で待ってんの…ずーーーっとその間。
早く車を移動させろよと、無言のプレッシャー。


そしてミカは運転しながら思ったの。

…ドラマのように泣く場所さえ与えられない…それが現実。


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