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痴漢電車

第16章 痴漢の末路



尚輝「何が起きたのすぐには理解出来な
かった」

千佳「えっ…」

尚輝「痴漢だってわかったら怖くなって
だけど助けてって声も出せなくて誰かが
気づいてくれるのを必死に待った」

千佳「待って、何言って…」

尚輝「だけど誰も気づいてくれなかった
誰も気づいてくれなくて、ただ待つしか
終わるのを待つしか出来なかった…」

千佳「どうして…」

尚輝「…」

千佳「どうしてわかるの…」

尚輝「日記にそう書いてあったから」

千佳「日記?」

尚輝「姉貴の日記…」

千佳「姉貴って、お姉さんの事?」

尚輝「…」


姉貴とは亡くなった尚輝のお姉さんの事
ある理由から自殺してしまったが
その理由がまさか…


尚輝「姉貴も痴漢されてたんだ」

千佳「!?」

尚輝「姉貴は一人で悩んでた、痴漢の事
誰にも言えなくて必死に忘れようとした
忘れればなかった事になるって」

千佳「…」

尚輝「だけど痴漢は再び現れた、何度も
毎日のように現れた…」

千佳「…っ」


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