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好き心少なからず

第24章 君さえ良ければ~姉ヶ崎×田口~

戸惑う私に、田口君は口元を緩めると、私の手のひらにグリップを置いた。

握り方って…普通に持つのと違うの!?

田口君の言う意味が分からなくて…

でも、やらないと済まない状況になってる。

諦め半分。

だけど渋々、グリップを握る。

すると田口君は、やっぱり…と呟いて

「グリップの先が小指の方を向いちゃってるだろ?」

くいっと私の手首を返して、指先が見えるようにした。

え?

「だって…普通、握るってそう持つでしょ?」

「そうじゃなくて…」

田口君は自分の左手を広げて見せる。

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