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好き心少なからず

第22章 イイコト~梶×宮下~

おいおい。

花夏のやつ、歌詞覚えてるのかよ!?

今まで律さんの声でしか演奏してなかったから、花夏がまともに歌えると思ってなかった。

歌詞覚えているから、歌おうって言ったのか?

花夏らしい意地悪に、苦笑いがこぼれた。

それにしても。

花夏の歌声は、普段の話し声よりも低い音で…

それが妙に心地いい、っていうか…

落ち着く。

サビに差し掛かったから、今度は俺がコーラスで入る。

主旋律を歌う俺に、花夏はアドリブを仕掛けてきた。

それに返す余裕がなくて、懸命にギターを奏でて、まともにしか歌えない。

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