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好き心少なからず

第22章 イイコト~梶×宮下~

うちの部では、律さんがボーカル&サイドギター、部長がキーボード、佳宏さんがベース、花夏がパーカッションで俺がギターだ。

コーラスで歌うことはあっても、メインでなんてやったことがない。

「歌詞、わかんねーもん」

何となく気恥ずかしくて、遠回しに断ろうとしてるのに、花夏は簡単に言う。

「鼻歌でもいいよ」

「お前が歌えよ」

別に俺じゃなくてもいいだろ!?

すると花夏は唇を尖らせて「ふーん」と唸ると

「じゃあ一番歌って。二番は歌うから」

やっぱり歌うの確定なのかよ。

首を回してため息をつくと、縁台に腰掛けてギターを構えた。


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