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好き心少なからず

第14章 失敗作?~栗原×速水~

咎めるような声に、ブロックから降りて後ろを向く。

「先輩、今日は早いんですね」

いつもならもう1便遅いバスに乗るのに。

朝、気合い入れた分、先輩と顔会わせるのが辛くて、早く帰ろうとしたのにな。

「図書室とか行かなくても良かったんスか?」

笑いながら軽口を叩くと

「今読んでるのまだ途中だし…」

先輩は少しうつ向くと、目をさ迷わせて

「廊下から栗原くんが帰るの見えたから…」

消え入りそうな声で告げた。

え!?

先輩の言葉が信じられなくて、先輩をポカンとただ見返すだけで…

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