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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第23章 逃避行・・・

『けしょー落とすヤツ・・・コレか?』



ホテルに備え付けてある化粧品を
漁って俺はマリアにシャワーを浴びせる




『~~なにするのよ』


『・・・いーから』




脱脂綿に化粧落としをつけて
マリアの顔をグリグリとこすった



つけまつげが外れて
ひじきみてぇな下マツゲが
ドロドロと溶けて

マリアがたちまちパンダになる…



『あ~ぁ~ぁ…(苦笑)』




ショボくれてか気まずくてか
ムスっとしてマリアはうつむく





『・・・ヨシ』




ゆるめのシャワー当てて
マリアのサイボーグみてぇな化粧を
完全に洗い流す




少なくとも・・・これで今は
〃営業〃しに行けないだろ?





マリア・・・


マリアだ


これがマリア・・・この方が


うんと良い





地顔のマリアを見て

俺はそんなこと思ってた







・・・そこに関して〃だけ〃だけどな









・・・。






メッキみたいな
マリアの〃武装〃を解いて見えたのは


そこにある様々な〃真実〃



それが容赦なく
俺の前に露になる






『~・・・にしてもよく〃化けた〃なぁ
マリア~~・・・驚きだぜ?
マジでわかんなかったもんな~・・・』





俺は目を背けたくなるのを誤魔化しながら
マリアの体を洗ったりして

赤く火照った中に〃白浮き〃する
腕や脚にも化粧落としをつけた




『・・・』




やはり・・・




とは、言わないけど



やはり・・・そうだった





体が赤らんでなきゃわからない


でもマリアの腕や脚には
いくつもアザがあって
化粧で隠されていた


重たそうなアクセサリーや
髪飾りで隠れてた手首も

青黒いアザが残って
何よりは・・・



厚化粧を落としたマリアの顔・・・



その整った顔には



無残な程

傷痕やアザが残っていて

痛ましさ・・・そのものだった

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