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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第23章 逃避行・・・

『マリア・・・おい?』


『ゴクゴク…』




コトン…




数口…流し込んで
マリアは缶をテーブルに置いた




白い肌が…たちまち
赤く火照りだした



コテコテに化粧を施された
顔を除いては…





〃どんだけ厚化粧してんだよ・・・〃






これが、普通に…口説きたい女でも
目の前にしてたならさ


あ~ぁ、こんなすぐに真っ赤なっちゃって
カァわいい~♪


・・・なんて思うとこだけどよ





コイツはまた話が…少し

だいぶ違うんだよな





『・・・ウマイ?』



『~♪・・・』







目まで赤くなって
少しトロンとしてるマリア…





『マリア・・・』



『お客さん?…私、ビョーキは
持ってないけど…ぉ

お互いのために・・・〃ゴム〃だけは
よろしくお願いしますねぇ…

アトは…なにしても
好きなことして、いーヨ♪…』





・・・。




本気で…俺がお前に
そんなコトすると思ってたのかよ…
バカヤロゥ…

お前も…少しくらい
俺のコトわかれよ

なんて…勝手に
少しカっとなったりして





『・・・やめろよ』






『~♪・・・』








マリアが俺をシカトして
再び酒に手を伸ばした






『っっ……やめろよ!!!』






バシっ…






カランカラン…っ






『・・・』


『・・・』





俺がマリアの手から叩き落とした酒が
床にこぼれて缶が転がった





『・・・だっせぇカッコ』


『~~・・・』






シーンとした空間で
俺はまたマリアに吐き捨てた






『ちっとも似合ってねぇ・・・』







『どぅせ・・・年増ですカラ』





少し目のトロンとしたマリアが
ぶっきらぼうに返してくる





似合わない・・・


それは…なんつぅか、ぶっちゃけ
物理的な意味ではない


マリアはとてもじゃない
相変わらず実年齢には見えない


少々派手な服着たって何したって
〃元が良い〃からキレイにハマるし
着こなせる…似合ってる



それと違う

それこそメッキで塗り固めたみたいな
化粧や…下品な程に派手な服

そんなモンで自分を押し殺す
そんな〃生き方〃は

マリアに似合わない・・・



ちっとも・・・似合わない

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