
その男、溺愛注意報。
第2章 出会い
歌ったり喋ったり
馬鹿なことしてふざけたり。
合コンは最初からずっと
盛り上がりっぱなし
席替えしてから
俺の隣になった女の子
サキだっかサエだったか……
忘れちゃった。
この子明らかに俺目当て。
栗色のふわふわした髪に
綺麗に施された化粧
4人の中でダントツの容姿。
俺の腕にきっと自慢であろう
豊満な胸を押しつけている。
計算尽くされた表情、声
さりげないボディタッチ
相当自分に自信あるみたいだね。
別にそういう子嫌いじゃないけど
俺相手には無駄ってことは
敢えて言わない
「……響くん」
耳元で聞こえる
やたら艶のある声。
「この後、2人で抜けない?」
ほらね。
