
その男、溺愛注意報。
第4章 変化
電話帳には
たった今交換したばかりの
蓮の連絡先と両親だけ。
今まで大量にあった
女の子の連絡先は
ひとつもない。
携帯を新しくしたと
同時に全部消したんだ。
「…どうしたんだ、」
唖然ーー…といった
様子の蓮。
「手に入れたい子ができたんだよね。」
脳裏に那美の笑顔が浮かぶ。
初めて俺に
微笑んでくれた時の
ふわりとした笑顔。
那美には
浮気とか、そんな言葉
口にしてほしくない。
苦しんでほしくない。
あんな……泣きそうな笑顔なんか
見たくないんだ。
「もしかして、あの1年の子か?」
蓮の言葉に
「うん」と頷いた。
