
言いなりなんてっ
第1章 交渉
それだけは避けたい、なにがなんでも嫌!!
「何でもするから、どうか誰にも言わないで下さい!!!!」
もう、土下座する勢いで頼み込んだ。
年下にこんなふうに頼み込むなんて、きっとこれが最初で最後だろう。
「いいですよ、誰にも言いません」
あっさりお願いを聞いてくれた成瀬。
「ほ、ほんとうに!?ありがとう!!!」
なんていい子なの!!!
「先輩、本当になんでも聞いてくれるんですか?」
感激しているわたしに、成瀬が尋ねる。
「もちろん!!!」
そう答えると、ニヤリと笑った成瀬。
……なんとなく、その笑みに嫌な予感がした。
