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君がいるから

第6章 一緒に暮らそう


営業マンも

乗り気な智を見て

ニコニコと「ここはお薦めですよ」

なんて煽るから


「智…決めちゃう?」

最終確認の為に

智の顔を覗きこんだ。


「ここに、しよ!」

クシャッと笑った智の顔が決定打となって


「…決めます」

俺は、営業マンに向き合った。

まあ、拒否する要素も特に今日は見受けられないし

探すのも、そろそろ疲れてきたのもある。

そして

散々探してる中で

唯一、智が勧めた物件。


…まさかの雅紀絡みはあったけど。


「ありがとうございます!…では改めてきちんとした書面の説明がありますので……」


俺はこの後の流れの説明を受けながら

これからの事をぼんやりと

思い描いていた。




このまま、不動産会社に向かって

契約を勧めて良いか、と問われたから

出掛けたついでに終わらせてしまいたくて

承諾する。

智も、反対するわけでもないし

面倒な事は早く済ませたかった。



必要書類を揃えて

夕方に伺う事を約束し、俺達はマンションを後にした。

車に乗り込んで

そう言えば、と

二宮に電話を入れると言ったのを思い出した。

「ちょっと電話するね」

智に一言断ってから

スマホを取り出す。




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