
今日も明日も
第66章 蜜月
ス…と細められた目がゆっくりと弧を描いていく
「随分可愛いキスだね」
揶揄る口調とは裏腹に、嬉しそうな顔をしてるのが小憎らしい
「そこがまたいいんだけど」
「え?」
首に巻き付けた腕を離され、シーツの上で抑えられ
あ、と思うより先に、相葉さんが再び唇を塞ぐ
すぐに歯列を割って侵入した舌が、逃げようとする俺のそれを絡め取るから
呼吸を奪われた苦しさで眉間に皺が寄った
「んー、んぅ…っ、ん、ん…!」
ジタバタもがいて離れようとするけど
暴れた足は相葉さんのそれにしっかり挟み込まれて動けなくなる
「鼻で息するんだって…いつも言ってるのに」
少し呆れたような囁き
「だって……っ」
分かってるよ
忘れてるんじゃないんだもん
ただ、どうしてもこのキスは頭が真っ白になっちゃって
何も考えられなくなるんだから、仕方ないじゃないか
「慣れないにのも、可愛いけどね」
なんて余裕綽々な相葉さんに、反論する言葉も見つからず
「なら……相葉さんが教えてよ」
「ヤバい…それ、反則」
思わずスルリと俺の口から出た言葉は
何故だか相葉さんの何かに火をつけてしまったようだ
