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今日も明日も

第65章 見えない鎖 part Ⅵ


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慌てて契約書を引っ張り出し、規約を必死に読んだ俺は

「良かったぁ…」

“ペットは犬、猫は1匹のみ可“ の文章を見つけ
あからさまに安堵の溜め息を吐いた

先輩にもすぐにその旨を伝え

慌てていた俺を不安そうに見つめるかずくんの前に腰を降ろした

かずくんの膝の上ではすやすやと仔ネコが眠っていて

ずっと抱っこをしてたからか、仔ネコもかずくんにすっかり懐いているようだ


「まーくん…」

「大丈夫!うちで飼える」

「良かった……」

かずくんの顔がふわりと柔らかくなった

笑顔の一歩手前、と言った感じ

また、あの笑顔を見たい
多分それは、そう遠くないはず


「名前、かずくんが付けていいからね」

「いいんですか?」

だってかずくんの為に貰ったんだから


「勿論」

「…ありがとう、ございます」

ほんのりと赤くなるかずくんがあまりに可愛くて


「かずくん、ごめん。ちょっとだけ…」
“抱き締めさせて“

そう言うと、きょとんとしたかずくんは次の瞬間には耳まで赤くして

「…はい」

抱き締める事を、受け入れてくれた

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