
今日も明日も
第54章 Perfect Life
手で口元隠してるけど、ちょっと嬉しそうなのもお見通し
こう言う素直じゃないとこもまた可愛いんだけど
「まあ、いいけど…」
ほらね
やっぱり嬉しいんじゃん
気乗りしないフリしてるけど、断らない時は嬉しい証拠
だって本当に嫌な時はあっさりきっぱり拒否するもんね
「6時半に、かずの方の改札でいい?」
「…分かった」
了承して、再び目玉焼きを口に運ぶけど
朝の慌ただしい時間
そんなにのんびりしてる暇はない
「かず、ちょっと急がないと」
先に食べ終えてる俺がかずを急かすと
「え、あ、ヤバい」
時計を確認したかずが慌てて残りを掻き込んで
お茶で最後は流し込んだ
そしてちょっと急いで二人で歯磨きして
お互いにネクタイを確かめて
一緒に出るけど “いってきます“ のキスを交わす
玄関を出れば、手を繋ぐ事もないけど
その代わりにお揃いのリングが指で光っている
この日常も、俺にしたら幸せすぎる時間だった
