
今日も明日も
第51章 おしおきは甘い味
「言ったでしょ?おしおきって」
そう言ってクスクス笑うにのはまさに小悪魔
だけど冗談抜きで、このままじゃ思い出したくても頭が働かない
にのだって分かっててやってるからタチ悪い
「ほら、ゆっくり考えてよ」
「お前が降りなきゃ無理」
「ダメ。そしたらおしおきにならない」
だからってここで手を出したら、にのは絶対キレるからそれも出来ない
まさにおしおき
甘いけど、俺にしたらかなりキツイおしおきだと思う
「ほら、思い出せ」
そして完全ににのは面白がってる
端から見たらくだらない攻防を続けていた時
「誰…?」
来客を告げるチャイムが聞こえてきた
「誰か約束した?」
「いや、してない」
“とりあえず降りて“ とにのを抱き上げて横に降ろして
リビングにあるインターホンの通話ボタンを押した
「…?」
モニターに映っているのは、小学生くらいの男の子と…多分母親
知らない顔だ
部屋を間違えた?
「…どちらさまですか?」
…あまり、俺がここに住んでるのは知られたくないけど仕方ない
立場上、つっけんどんには出来ないから柔らかく対応すると
『突然申し訳ありません。謝罪に伺わせて頂きました』
母親らしき人が頭を下げた
