テキストサイズ

今日も明日も

第42章 おさななじみ



それに気付いたかずが、またビクッと体を竦めるけど
今度は叩いては来なかった

その代わりに向けられる俺への視線が、怯えているように見える


何でそんな目をするんだよ
今までは、言いたい事は何でも言って来てたじゃん

今回の事だって
シカトする前に言ってくれたら、俺だって分かるのに


いつも言ってたじゃん

“雅紀は言わなきゃ何も分からない“ って

俺がバカだから、一つ一つ説明しなきゃ分からないって




かずに手を伸ばしたはいいけど
それをどうしたら良いのか分からなくなって、空中で止まってしまった


だって
頭を撫でるってのも何か違うし

じゃれてるならまだしも
この状態から肩を抱くなんてのも、女の子じゃないからおかしいし

だけど
かずを抱き締めたいなんて、どこかで思ってる自分に気付いて

そしたらやたらドキドキしてきて

…戸惑いが隠せなくなった


なぜなら

彼女に対しては
そこまでのドキドキや、抱き締めたい気持ちはなかったから



ストーリーメニュー

TOPTOPへ