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今日も明日も

第34章 100%のきもち 2nd


完全に仕事が別の日は、マネージャーに送って貰って相葉さんちに帰るけど

今日みたいに現場が同じなら、遅くなっても待つようにしていた

「先に帰って良かったのに」
なんて、いつも相葉さんは言うけど

…相葉さんちで1人で待つ方が寂しいんだよ

あそこで1人で待つなら
人の気配を感じられるここの方が遥かにマシなをだ


スタッフの行き来も減り、人気の少なくなった廊下

相葉さんが自然に俺の手を握ってきた

握られた手がもぞもぞと動いて、お互いの指を絡め合う

何となく目が合って、二人でクスクス笑った

「にの?」

「ん?」

「…本当に平気?」


これも毎回、相葉さんが気にする事

「記憶のない俺が、無理してるんじゃないか」って言う不安

記憶がない時でも「受け入れる事」への抵抗はなかったって、伝えてるのに
拭いきれないでいる


そして、記憶の一部を取り戻した俺も
今度は相葉さんの気持ちに不安を抱いている

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