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今日も明日も

第26章 100%のきもち


あれ?

俺、相葉さんに食い付いて欲しかったの?

ただ、俺の言ったままに背中を向けただけなのに

…何で切なく感じてるの?



「…ダメだ、分かんないや」

考えれば考える程、頭の中がグチャグチャになる

どうでも良い事は覚えてるのに

「人間」に関する事はすっぽりと抜け落ちているなんて



…何か、大きな出来事があれば

思い出せるかな

でも、大きな出来事って

どんな事がある?




ガチャリ、とリビングのドアが開いて

相葉さんが髪をタオルでガシガシしながら入ってきた



え、もうそんなに時間経ってた?

…慌てて時計を見ると、ゆうに30分は経っていて

内心かなり焦った



「にの、お待たせ」

ニッコリ笑う相葉さんに

「あ、うん」

とりあえず頷いて、俺は逃げるように風呂場に向かう


一度意識してしまうと

今度はそれが頭から離れない


それはやっぱり

相葉さんの、事



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