
今日も明日も
第20章 countdown
「…ならさ、かずは?」
「え?」
いきなりの質問に、言葉が詰まった
「俺は、かずから何も聞いてない」
また、俺の頬を両手で包む
「かずから、愛してるって言葉、一度も言われてないよ?」
顔が近付いて、またキスをされたと思ったら
…鋭い痛みが唇に走った
「…っ!」
「…俺だけなんて、狡いよね」
ニヤリ、と笑う相葉さんの唇が赤くなっている
痛みを感じた唇に指を当ててみると
その指先が朱色に染まった
相葉さんが、俺がしたのと同じ事を、返してきた事に気付く
「な…んで?」
何で俺が同じ目に合わなきゃいけないの?
「何が…?」
相葉さんが、俺の傷口をペロッと舐めた
「かずがしたのと同じ事、しただけだよ…?」
「だったら…!!」
分からない
もう、考えるのも嫌だ
俺は相葉さんの手を振り払い
シャツの胸元を両手で締め上げた
胸ぐらを掴まれてるのに
冷たい笑みはそのままで
相葉さんは、俺を見つめている
「俺が、女を抱いても構わないんだよね」
挑発的に
俺はその冷たい目を覗き込んだ
