
僕らはずっと…
第7章 ごめん
俺は右手をズボンで拭いて、春を両腕で抱きしめる。
まだ震えてる。きっと泣いてる。
早く電車を降りて、落ち着かせてあげたい。
「春、ごめん。」
春が小さく首を振る。
俺の胸に置いている手に力がこもった。
ほんとに、ごめん。
自分が許せない…。
春がかわいい事も、男から好かれることも分かってたのに。
最近の俺は春を守ることより自分を守ることで必死だった…。
春を辛い目に合わせたのは俺のせいだ。
俺は春を出来るだけ安心させるように、抱きしめ続け、頭をなでる。
もうすぐ、次の駅に着く。
