
僕らはずっと…
第1章 朝
でも、始めは正直戸惑った。
だって、俺達は双子の兄妹なのだから。それは紛れもない事実で、変わることは無い。
だから俺の思いはおかしいんじゃないかと、すごく悩んだ。
でも、その時に救ってくれたのが親友の祐冬(ゆうと)だった。
祐冬は俺が悩んでいるのに気づいて、話を聞いてくれた。
正直、言ったら嫌われてしまうんじゃないかと思って、怖かった。
でも小学校から一緒にいる祐冬になら言おうと思うことが出来た。
祐冬は話を聞いて、俺のことを否定せず認めてくれた。
そのおかげで俺自身も自分の思いを認めることが出来た。
祐冬にはすごく感謝してる。
祐冬のおかげで自分の事を嫌いにならずにすんだのだ。
でも、一度その思いを自覚してしまったら、春を見る度に、思う度に、意識してしまう。
思いは募るばかりで、でも伝えることは出来ない。
それに、
伝えるつもりもない。
