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恋空予報

第13章 新生活

二宮side




雅紀ん家は…至って普通。


あ…このテディベア…

俺が雅紀にあげやつ。


まだ大切にしてくれてたんだ。


なんだか嬉しくて
涙が出そうだった。



「ニノちゃん、荷物は?」

「…ない。」

「家に一旦帰る?」

「いい。」



雅紀にぴったりくっついていると
インターホンが鳴った。



「ごめん、出てくるね」

「ん…」




寂しい、なんて……
思うもんか。


どうせすぐ来るんだから。


これくらい待ってないと。


それでも、やっぱり寂しくて。



「あー、ハンコハンコ」



雅紀は引き出しから
ハンコを取り出していた。


そしたらすぐに
玄関に行っちゃった。


……寂しいっての。


てか、なんで俺は
宅配便に嫉妬してるのさ。


あー、こんな俺嫌だ。

嫉妬なんて醜い。



「んー……」



ぐいーっと伸びて
ゲームの電源を入れる。


…ばーか。

早く来いよ。


……あ、死んだ。


ゲーム画面にgameoverの
文字が表示される。


雅紀のせいだ。



俺がぶつぶつ言ってたら、
背中に雅紀の体温。



「遅かったね…」

「ごめんね?」



雅紀が喋る度、息がかかって
くすぐったい。



…けど、これはこれでいいか。

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