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プリンス×プリンセス

第79章 写真と涙

執事の時のものや、プライベートで見せる笑みとは違う…

蔑んだ、笑み。

「今ならまだ、夢を見たのだと信じさせるのも可能です」

夢…

私を求めて呼んだ声。

必死に握りしめた指の強さ。

抱き締めた温もりも、重さも柔らかさも。

……全て、夢だと……

「もうこちらへは来ないように願います」

急転直下の出来事に、ただただジュークを見つめる事しか出来ない。

茫然自失な私に、追い討ちをかけるように

「それがこの子のためです」

そう言われて…

何も、言えなかった。

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