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プリンス×プリンセス

第11章 ティアナの思い

「ではこちらへお運び致します」

ジュークの申し出を首を振って断ると

「大丈夫。テーブルの方へ」

「かしこまりました」

ナイトガウンを羽織り、ベッドから降り立つ…と

「危ない」

よろけそうになった所を、ジュークが抱き止めてくれた。

「あ…大丈夫よ、少しふらついただけで…」

ずっと横になっていたからか、足に力が入らなかっただけ。

一度立ち上がってしまえば…ほら、大丈夫。

だけど、抱き止めてくれたジュークの腕はそのままで…

「ジューク?」

ジュークの胸に凭れるような体勢のまま、顔を上げてジュークを見れば

「無理はなさらないで下さい」

眉を寄せて…何故そんなにつらそうな表情を浮かべているの?

「こちらへお運び致しますから」

その申し出に、ゆるゆると首を振った。

「もう起きていたいの」

朝に比べたら、体のだるさは無くなった気がする。

だけど…さっきよりも、熱は上がってるかもしれない。

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