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プリンス×プリンセス

第78章 柔らかな温もり

その思いのまま、ジュークへ頭を下げる。

これからもルーミーをお願いします。

言いたいけれど、口に出してはいけない言葉を噛み締めてこらえた。

「……やめて下さい」

ジュークの声は冷たかった。

だからこそ、私は顔を上げて、にっこり微笑む。

「では、お会計を」

「は?」

「飲み物の代金を。おいくらですか?」

自分が飲んでいた器を手で示すと、ジュークは首を振る。

「そんな…結構です」

「いいえ。あなたが私と無関係だと仰るならば、正当な料金を請求して下さい」

その言葉に、ジュークは不意を突かれたように目を丸くした。

けれどすぐに顔を曇らせ…レジへ向かった。

言われた金額をルークスが支払うのを見ながら、自分に言い聞かせる。

あと少し。

今は泣いては駄目。

これが最期になるのだから…泣き顔より笑っている顔を覚えていて欲しい。

「紅茶、とても美味しかったわ」

そう言って微笑む。

けれど肝心のジュークは一礼するだけで…

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