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プリンス×プリンセス

第71章 王女の悩み

「当時はそれをよしと思わない者もいて…8年前、子爵の孫が生まれた時、その子が3番目の候補者に推挙されました」

それで3人も婚約者が出来てしまったのね。

それにしても…

「あなたは…婚約を望んでいないの?」

私の問いかけに、グレイス王女は驚いたように目を見開いて…

すぐに、楽しそうに笑みをこぼした。

「分かりますか?」

そう言われて、頷いてみせる。

だって…あまりにも淡々としすぎているから。

まるで他人事のような口調に、違和感と寂しさを感じ取ってしまって…

「他のお二人は存じ上げませんが、ユーノスくんとは良好な間柄のように見えました」

グレイス王女は笑いを止めると

「正直な所、3人に対して特別な感情を持ち合わせてはいません」

そう話すと、深いため息をついた。

「1番目と3番目は年が離れすぎていて会話になりませんし」

「それは…確かにそうかも」

「その点だけで言えばユーノスが話し相手には最適です。でもそれだけです」

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