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プリンス×プリンセス

第64章 置き土産

ディオの言葉に、私を絞める腕の力が弱まった。

「仕立てるも何も。そもそも当時は未成年でしたから、実刑はつかなかった」

「だが…保護観察にもならなかった」

「その辺りが、あなたの言う『仕立てた』に当たるのでしょうね」

くくっ…と抑えた笑い声がして…

その声の恐ろしさに身震いしてしまう。

「しかし…まだキサンタンガムに仕えているとはな」

ディオは感心したように老人…キサンタンガムの国王に話しかける。

「てっきりあれ以来、他の国にでも逃亡させたのかと」

「違う!」

叫びに似たような声が辺りに響いた。

それと共に、私に回った腕が締まる。

「…く…っ」

「昔から…俺の居場所はここしかない」

決意のこもった強い口調。

それに伴ってか…彼の腕も小刻みに震えていて…

「まだ、ではなく…これからもずっとそのつもりだ」

真摯な言葉は、従者としてなら忠実で微笑ましく思う。

だけど…

私の胸の中は、泥のような重苦しい思いで埋められていった。

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