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プリンス×プリンセス

第56章 二人の子供

「全く…落ち着きかけた所だから静かにして下さいよ」

ドアが開いた途端、そんな言葉と共にメイド頭のオルティアが顔を覗かせた。

「あ…若君!」

そこにいる人を認識して目を丸くするオルティアに、ディオチェスター様が詫びる。

「それは悪かった」

「いえ!失礼致しました!!」

最敬礼に近いほど頭を下げている。

「顔を見に来たが…寝かしつけているのか」

「あ、ですが赤子は1日の大半を寝て過ごすものですから。どうぞ!」

そう言って大きく扉を開き、俺達を招き入れた。

大人用のベッドを横に使い、二人が並べて寝かされている。

「男と女だったと聞いたが?」

「はい。左側が若君で、右側が姫君です」

言われて顔を覗き込む。

真っ白な柔らかい布にくるまれて、目を閉じる赤ん坊。

左側は金色の髪が見え隠れしている。

右側はやや栗色がかったぽやぽやの柔らかそうな髪で。

「ご両親のそれぞれによく似ていらっしゃいますね」

オルティアの指摘に、ディオチェスター様は笑みを浮かべた。

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