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プリンス×プリンセス

第56章 二人の子供

「あ…」

シルフィは困ったように俺を見つめ、部屋の中を窺いみる。

すると、中からティアナ様の声がした。

「構いませんよ、どうぞ?」

「では…」

シルフィの脇を通り抜けて中に入った。

すると、ソファーに腰掛けようとするディオチェスター様と、その横でティーカップを用意するティアナ様の姿があった。

「ティアナ様、私が」

後ろからシルフィが急いで走り寄ると

「これくらい平気なのに」

クスリと笑いながら…でもシルフィに任せて、ディオチェスター様に労いの言葉をかける。

「国外への視察、お疲れ様でした」

「特に問題のない所だったからな。滞りなく済んだ」

「それは何よりです」

シルフィが淹れたお茶をディオチェスター様は口にする。

しんとした静寂に、ティアナ様は無理矢理笑みを浮かべると

「さっき部屋へ連れていったばかりなので、まだ起きているかも知れませんが…見に行きますか?」

子供を会わせたいのだろうな。

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