テキストサイズ

プリンス×プリンセス

第55章 念願の日

次の日…

何だか余り寝付けなかったな…

ボンヤリした頭を振って起き上がる。

あ…姉上。

その途端、パッと目が覚めた!!

大急ぎでベッドから降り立ち、最低限の身支度を済ませる。

自分の部屋を出たところで…

周りの雰囲気が、何か変だ。

いつもとなにか違う。

漠然とした感覚なのに、それに突き動かされるように姉上の部屋を目指した。

すると、部屋の前にはシルフィがいた。

両手を胸の前で握り締めて、両目を固く瞑り、何かに祈っている。

「シルフィ!」

名前を呼ばれ、びくりと肩を震わせて俺を見る。

その顔は青ざめていて…

「どうした!?姉上は!?」

問いかけながら姉上の部屋に入ろうとして、シルフィに腕を掴まれた。

「駄目です!!」

「…え!?」

「先程破水されて!!今、先生が付いてます」

破水?先生?

「…じゃあ…」

その先の言葉が出てこなくて、姉上の部屋のドアを見つめる。

「はい。もうすぐお生まれになります」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ