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プリンス×プリンセス

第54章 違和感

いや、ただ見上げるだけじゃなくて、睨み付けるような状態だったけど…

それはそれで仕方ないだろ!?

そんな俺に、ジュークは一瞬ひるみ…それから肩の力を抜くように笑った。

「な…何だよ!!」

馬鹿にしてるのか!?

眉をひそめた俺の前で、額に手をかざしながら笑いを堪えている。

そして…ぼそりと呟いた。

「本当に…よく似ていらっしゃる」

「は?」

聞き返した俺に、首をゆるゆると横に振ったかと思うと、大きく息を吐いて

「ディオチェスター様が手放さないのが分かる気がします」

その言葉に、カチンとした。

「ディオじゃなくて…お前が、だろ?」

「私が…ですか?」

意外だと言いたげな声で言うけど。

お前の小芝居に騙されねぇぞ!?

「俺を利用してやろうって魂胆が見えるんだよ!」

なのに、ディオは相好を崩すこともなく

「あなたにその覚悟がおありなら」

俺を見据えたその顔は…完璧な執事の表情に戻っていた…。

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