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プリンス×プリンセス

第49章 騙しあい

「そんな『ティアナ様』のお姿を曝す訳にはまいりません」

もっともな意見に、ディオも苦笑いを浮かべた。

「当然だな」

「はい」

ディオの言葉に、ジュークが頷く。

表面的には同意したように見えるのに。

何故かお互いが牽制しあっているような空気が漂い始めて…

何なんだよ!?

二人の様子に眉をひそめていると、ドアがノックされた。

「はい」

ジュークが応対してドアが開かれると、

「ディオチェスター、よくぞ参った」

周りに響き渡るほど通る声で挨拶された。

この人が国王だろうか?

見た目でいけば70才代なのに、足の運びや声は若々しい。

ディオも立ち上がって握手をしながら挨拶を交わしている。

「いつもお元気そうで何よりです」

「それだけが取り柄よ」

笑顔を浮かべた国王が、ふと俺の方へ視線を向けた。

「ご紹介いただけるかな?」

視線は俺に据えたまま、ディオに向けて催促している。

ディオは眉を上げると、俺の肩を抱いた。

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