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プリンス×プリンセス

第42章 笑ってんじゃねぇ!!

「お前は家族を裏切れるのか?」

それを聞いてディオは息を大きく吐くと、自分自身に聞かせるように呟いた。

「家族…か」

その顔は憂いと言うより…

「家族の愛など、俺は感じたことがない」

無関心とでも言うくらい、淡々としていて…

「俺が生まれる前から、王と王妃は破綻していたからな」

破綻。

自分の両親に向かっての言葉とは思えなくて、瞬きを繰り返した。

そんな俺に、ディオは片方の口角を上げて冷笑を向けると

「そんな時にジュークの母親と関係を持ち、妊娠した途端逃げられ、余計亀裂が深まった」

「逃げられた?」

どういう事だよ!?

「聞いていた話と違う!」

もっと詳しく話してくれよ!

問いただした途端、ディオが口に人差し指を当てた。

え!?

突然の行動に、思わず硬直してしまう。

すると…

「ディオチェスター様!いらっしゃいませんか!?」

ジュークの声だ。

遠いところからの呼び掛けが、段々と近付いてくる。

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