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プリンス×プリンセス

第26章 謝肉祭

「うわ!!凄いな!こんなに華々しいパレード、初めて見た!」

テラスからパレードの参加者に手を振る。

俺に気付いた人が手を振り返してくれて、嬉しくなってテラスの柵に身を乗り出した。

笑いながら手を伸ばして振り続ける俺に、あきれたような口調でディオが言った。

「危ないぞ」

「大丈夫だって」

手すりだってこんなに頑丈なんだから。

そのまま手を振っていると、カーニバルの衣装を身につけた女の子と目が合った。

女の子は、驚いたように目を見開き…すぐに笑顔になった。

小麦色の肌に、艶やかな黒髪が映える。

あどけないその微笑みに、思いが口をついた。

「可愛いな」

するとディオが、俺の目線を辿った後

「お前の好みか?」

は!?

「何言ってんだ!?」

突然、何を聞いてくるんだよ!?

面食らう俺に、ディオは薄笑いを浮かべると

「好みのタイプかと聞いただけだが?」

そう言って、片方の口角を吊り上げて笑った。

…何なんだよ!!

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