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プリンス×プリンセス

第3章 執事の来訪

「ところで、今日は何の用で?」

「国王様とご相談を」

「だったらこんな所にいていいのか!?」

キツい言い方をしたのに、ジュークはしらっと

「会見の間に案内されたのですが、予定時間より早く着いてしまったもので。少し見学を、と」

だからって、勝手に歩き回るなよ!!

「案内された部屋で待つのも、訪ねた側の礼儀じゃないのか?」

「これは失礼いたしました。では戻ります」

一礼して歩き出したジュークに、冷たく言い放った。

「そっちじゃない」

ピタッと足を止め、俺の方を向くと

「来た道はこちらですが」

「反対に行った方が近い」

俺はそれだけ言うと、顎で方向を示した。

「付いてこい」

「ありがとうございます」

よし!!何か勝った気がする!!

ジュークを案内しつつ、少しだけ優位な気分を堪能していると、

「所で…テリオス王子?」

急に話しかけてきた。

「何だ」

「結婚のご予定は?」

おい、何だよ。急だな!?

「無い」

質問の意図がつかめず、とりあえず事実だけを話す。

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