
プリンス×プリンセス
第15章 一曲、いかがですか?
まぁ、俺の腹痛は嘘っぱちなんだけど。
姉上の代役をしていたのは内緒にしておきたくて、こんな嘘をついてしまった。
幸いなのか、俺と姉上の入れ替わりに気付いた人は誰もいなくて…
結果として俺は、久し振りに家族に会った結婚披露パーティで、兄上のお叱りを受ける目にあったって訳。
「所で、テリオス」
「ん?」
「ティアナも結婚した事だし、もうそろそろお前も帰ってきてもいいんじゃないか?」
兄上の言葉に、カナッペを頬張っていた口が止まった。
「にゃにお…」
喋ろうとしても言葉にならず、カナッペを飲み込もうと咀嚼していると
「ティアナが一人では不安だろうからとお前についてもらっているが…もういいんじゃないか?」
「それは…」
確かに、この国に来て半年以上経って…
シルフィを筆頭に、姉上が気軽に話したり相談できる相手が増えてきた。
俺がいなくても、どうにかなるだろう。
けれど口から溢れたのは
「…考えさせて下さい」
そんな言葉だった。
姉上の代役をしていたのは内緒にしておきたくて、こんな嘘をついてしまった。
幸いなのか、俺と姉上の入れ替わりに気付いた人は誰もいなくて…
結果として俺は、久し振りに家族に会った結婚披露パーティで、兄上のお叱りを受ける目にあったって訳。
「所で、テリオス」
「ん?」
「ティアナも結婚した事だし、もうそろそろお前も帰ってきてもいいんじゃないか?」
兄上の言葉に、カナッペを頬張っていた口が止まった。
「にゃにお…」
喋ろうとしても言葉にならず、カナッペを飲み込もうと咀嚼していると
「ティアナが一人では不安だろうからとお前についてもらっているが…もういいんじゃないか?」
「それは…」
確かに、この国に来て半年以上経って…
シルフィを筆頭に、姉上が気軽に話したり相談できる相手が増えてきた。
俺がいなくても、どうにかなるだろう。
けれど口から溢れたのは
「…考えさせて下さい」
そんな言葉だった。
