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プリンス×プリンセス

第83章 星空とレモネード

理由……

帰りたくないって言葉では納得してもらえないのね。

内心で諦めの溜め息をついて、微笑を浮かべる。

「解放…かしら」

「解放…?」

理解できず眉を寄せるジュークに、声を潜めて話す。

「テリオスに帰国の要請があったの」

あまり大きな声で話せる内容じゃないから。

「またどこかの姫君と婚約させたいみたいで」

「それは…兄上様から?」

こくりと頷いて…

「そんな事しても無駄なのに。まだわからないみたい」

くすっと笑みを洩らすと、ジュークの眉間のシワが深くなった。

あなたはディオとの関係をどう思っているのかしら。

その表情からすると、好ましくないみたいね。

でも、私は…

「あの子はフェールロコノにいるべきよ」

私も何度も迷ったし、悩んだ。

でも、今は心からそう思う。

「その方がディオも喜ぶし…ね」

笑みを浮かべたまま、小首を傾げてジュークを見つめる。

ジュークは…眉間のシワが戻ることはなく、悲しげに目を細めていた。

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