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0時の鐘が鳴る前に

第1章 菜津子の部屋

“菜津子ちゃんが、恋愛相談にのってくれるって聞いたんだけど…"

私がクラスメートのキューピッドを務めた噂が広がった春先。

そんなことを言って相談を持ちかけてくる人が、男女問わず増えていた。

人の話を聞くのは得意だから別にいいんだけど、

私と2人っきりで話している様子を
意中の人に見られて誤解されては元も子もない。

人にバレないような相談場所を探していたら、隠れ家的なカフェテリアを見つけた。

相談料は、カフェラテ1杯を私に奢ること。

そんな相談室はいつの間にかあのTV番組をもじって

『菜津子の部屋』なんて呼ばれるくらい、知名度を上げていた。

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